蕗問答
(オリオンブックス)
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ナレーター:
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大久保 陽奈
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著者:
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山本周五郎
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ちょうど海外の知識が急速に流れ込み始め、蘭学が流行り始めた時期です。とは言え日本海側の秋田が海外との直接の貿易を始めるまでにはあと80年程。更に、豊かな鉱山も藩のものではないので厳しい袖口だったようです。
聴き終わり、甘くコリッとした蕗の砂糖漬けが食べたくなりました。
蕗の砂糖漬けが食べたくなる話。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
朗読はBGMなしのシンプルな構成。
けれど、それがかえって作品の奥行きを引き立てています。
音楽に頼らずとも、声そのものが「情景」を描く。
まるで江戸の風が耳の中を通り抜けるような、不思議な臨場感があります。
大久保陽奈さんの声質は、柔らかく甘いトーンの中に芯の強さを感じます。
序盤の穏やかな語りでは、囲炉裏のそばで物語を聞かせてもらっているような温もりがあり、中盤以降のドラマチックな展開では一気に声のテンションが上がる。
抑揚のつけ方が実に巧みで、淡々としたセリフにも微妙な“間”と“呼吸”が宿ります。
声だけで、人物の表情や心の揺れが浮かび上がります。
特に印象的なのは、主人公・寒森新九郎の「忘れん坊ぶり」を描く場面。
ユーモラスでありながら、どこか切ない。
大久保さんの声は、その二面性を自然に行き来します。
おかしみの中に漂う“人間の弱さ”を、聴き手にそっと寄り添うように伝える――まさに声の演技の妙。
耳読で気づかされるのは、「山本周五郎さんの文章がいかにリズムに富んでいるか」ということ。
文体の美しさが朗読によって可視化され、文字で読むよりも情感がストレートに伝わります。
これこそ、“耳で読む文学”の醍醐味でしょう。
BGMがない分、聴く人の想像力が存分に働きます。
江戸の町並み、武家屋敷の静けさ、侍女の小さな息づかい――そのすべてが、自分の中で音として形になります。
で、この作品を聴くことで「できるようになること」が一つ。
それは、“声を通じて物語を味わう集中力”を取り戻すこと。
スマホやテレビの情報に追われがちな日々の中で、耳だけを研ぎ澄まし、物語に全集中する時間はまさに“現代の瞑想”です。
この朗読は、静かな夜や休日の朝、温かい飲み物を片手に聴くのがおすすめ。
耳で聴く時代劇――それは、読書とも映画とも違う、あなただけの「江戸への旅」です。
忘れん坊侍が教えてくれる、「生きるって、こんなに人間くさい」
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